シュトーレンってお菓子をご存じですか?
もともとは、ドイツの伝統菓子で冷蔵庫のなかった時代からクリスマス行事でアドベントのスタート(クリスマスの3週間前の日曜日)にクリスマスまでの、 心の準備として少しずつスライスしていただくお菓子のような重たいパンです。
では、シュトーレンはこんなに日持ちするのでしょうか?
「腐ったりカビが生えたりしないの?」
「日持ちが長いってことは美味しくないんじゃないの?」
など、疑問を持っている人も多いと思います。
シュトーレンの日持ちの理由や賞味期限
について、ご紹介します。
Contents
シュトーレンが日持ちする理由を紹介!
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シュトーレンは冷蔵庫のない時代から、クリスマスの約4週間前から食べ続けるお菓子です。
なぜ、シュトーレンは、4週間も日持ちするのでしょうか?
シュトーレンが、日持ちする理由は「作り方」にあります。
では、どんな「作り方」でシュトーレンは作られているのか、ご紹介します。
生地
シュトーレンの生地には、サワー種と呼ばれるものが使われます。
サワー種とはパン種のこと で、小麦、ライ麦の粉を使い乳酸菌、酵母で複数の微生物を共培養させたライ麦パン生地種のことです。
サワー種でシュトーレンを、作ると密度が高く重たい焼き上がりで、ずっしとした食感に焼き上がります。
サワー種はライ麦パンの生地を扱い易くし、カビなどの繁殖を抑えて保存性を高める役割 もあるのです。
サワー種を使うことで、焼き上がりの段階からシュトーレンが、日持ちするように作 られているのです。
水分量
シュトーレンは、小麦粉量に対して水分量を25%以下にしてあります。
長時間、時間をかけて焼き上げることで、外皮の水分量を極端に落とすのです。
水分が少なくなると、カビの繁殖を抑えて腐敗を防ぐ効果があります。
水分量を減らすことでシュトーレンが、日持ちするように作られているのです。
ドライフルーツ・ナッツ
シュトーレンは、小麦粉に対して、
ドライフルーツは70%以上
ナッツは10%以上
を生地に入れま す。
ドライフルーツやナッツは水分量が少ない食べ物です。
しかも、ドライフルーツはラム酒漬けのものを使用するので、ラム酒のアルコールが雑菌の繁殖を抑えます。
シュトーレンは、ドライフルーツやナッツを大量に加えることで日持ちする工夫がされているのです。
油分
シュトーレンは、小麦粉に対し、最低30%のバターを入れなければいけません。
加えて、生地に バターを入れるだけでなく、焼き上がったシュトーレンに、溶かしたバターを幾重にも塗り重ねます。
バターを塗り重ねることで生地の表面を外気からガードし表面に雑菌が付着することを予防しているのです。
砂糖
バターでコーティングして雑菌がつきにくくしてもバター自体は酸化が早いです。
その為、バターを塗った上から、バターをコーティングしガードするために砂糖を使います。
食品に砂糖を加えることで、微生物の繁殖を抑えることができるのです。
シュトーレンの賞味期限や保存期間はいつまで?
昨年末の私が未来の私のために買い占めておいたお宝シュトーレンも賞味期限には抗えない……のでこれがラストシュトーレンです(;-;)
また来年も会えますように pic.twitter.com/K8Q5UlmiTr
— yuri (@metthamattha) March 8, 2020
シュトーレンが長期間保存できることがおわかりいただけたと思います。
市販されているシュトーレンの、賞味期限は4週間程度、日持ちするものが多いようです。
しかし、日本国内で作られているシュトーレンは、日本人の口に合うように作られているものもあるので、購入時にお店の賞味期限を確認する必要があります。
自宅でシュトーレンを、手作りしたときには、なかなか長期間保存というのは難しくなります。
作り方にもよりますが、手作りのシュトーレンの、
賞味期限は1週間〜2週間程度
が安心だといえま す。
シュトーレンの食べられない賞味期限切れのサインは?
賞味期限切れのシュトーレンでも食べて落ち着こう… pic.twitter.com/TvUhoy6HHA
— はると (@HALTRHYTHM) January 9, 2021
日持ちがするシュトーレンでも、賞味期限が切れてしばらく経つ時や保存状態が悪く直射日光が当たる場所などに放置していた場合などは賞味期限内でも傷んでしまうことがあります。
そんなときシュトーレンが、傷んでいるのか大丈夫か見分け方をご紹介します。
シュトーレンの、食べられない賞味期限切れ、腐っているサインは主に下記4つです。
● コーティングの砂糖が変色して黒っぽい
● 嫌なニオイがする
● カビが生えている
● 食べたときに生紙や酸味を感じる
などのサインに気がついたときには食べてはいけません。もったいないと思っても、お腹を壊す 前に捨ててしまいましょう。
まとめ!
シュトーレンは、日持ちがよく賞味期限が長いドイツの伝統菓子です。
ドイツ伝統の作り方で、生地の水分量を減らしドライフルーツやナッツを入れることでさらに腐りにくくし、バターや砂糖でコーティングして雑菌をガードしています。
長期間日持ちするシュトーレンですが、日本国内のものは日本人の味覚にあわせられたものもあり賞味期限は確認が必要です。
賞味期限が長いお菓子なだけに食べるときには、保存状態も大切ですが、色やニオイ、カビや味なども注意が必要になります。
また、シュトーレンの本場ドイツで、シュトーレンを名乗るためには公的な定めがあります。
それは、「上質焼き菓子ガイドライン」という名称の規定集のことです。
その規定集にも、生地、水分量、ドライフルーツ・ナッツ、油分、砂糖のことについて記載がありますので、是非覚えていただければ幸いです。
最近は、クリスマスの時期に見かけるようになってきたシュトーレンですが、ドイツの伝統に従い、少しずつ食べてクリスマスの心の準備をしてみるのもいいかもしれません。
この記事を参考に、ぜひお試しください。
シュトーレンに関しての別途記事はコチラ↓